1997年に誕生し、2000年にフルモデルチェンジのためその幕を下ろしたにもかかわらず、今なお支持されている車で、「ホンダのレーシング魂」を象徴する車の1つ。
廉価モデルよりも軽量化され、わずか1tチョイ(1,090kg)となったボディに、B16B型のVTECエンジンが搭載されたその車は、NA(自然吸気=ターボなし)にも関わらず、ターボ車に負けず劣らずの走りを見せる、なんとも熱い車である。
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ホンダ シビックタイプRの特徴
エンジンは「ホンダのタイプRだ!」と言わんばかりに主張する真っ赤なエンジン「B16B」。
1.6LのNA(自然吸気)エンジンで、そのスペックは
- 最高出力は185ps/8,200rpm
- 最大トルクは16.3kgf-m/7,500rpm
- レブリミットは9,000rpm
といった感じで、数字だけ見るとターボ車と比べると非力にも思えるが、1tちょいの車重のおかげもあり、幅広いステージでターボ車をもカモにできるポテンシャルを持っている。
エンジン特性が2通りあるB16Bは、街乗りの低回転ではトルクもあって乗りやすく、6,100rpmまでエンジン回転を引っ張ってハイカムに切り替わると排気音が一変し、よりパワフルな加速となってその回転数は一気にレブリミットである9,000rpmまで到達する。
この「VTECゾーンをいかにキープできるか?」が課題となるが、キープし続ける腕があれば、峠道はもちろん、サーキットでもターボ車をカモるのは容易だろう。
VTECのファンはおそらく、このハイカム入った時の排気音や、どこまでも回るようなエンジン、グイグイ引っ張る加速に魅了されて、ホンダのタイプRをチョイスしているんだと思う。
俺が古き良きスバル車に惚れ込んでいるのも「独特の排気音」も絡んでいるので、その気持ちはとてもよく分かる。
内装については、
- モモ製のステアリング(SRSエアバッグ付き)
- チタン製のシフトノブ
- レカロ製の真っ赤なセミバケットシート
- カーボン調のパネル(タイプR-X)
特にレカロ製の真っ赤なセミバケットシートは、既製品のものと比べ日本人に合った形状になっており、そのホールド製の良さから様々な車種で流用されるほど人気のあるシート。
ホンダ シビックタイプRをこれから乗るなら?
今から15年以上前の車となるため、納車間も無くトラブルに見舞われる可能性が高いと思われるが、あらかじめ知っておくことで、納車前にメンテナンスをしてもらい、対策することができる。
エンジン周り
15年以上経過しているエンジン周りは、まずシール類の劣化によるオイルの漏れや滲みに注意したい。
また、ディストリビューターの劣化は、プラグの失火やパワーダウンだけでなく、エンジンがかからなくなるなど、気をつけておきたい部分だ。
会社の同期君がEG6(EK型の前のシビック)の時に、デスビが壊れてレッカーされていた(笑)
足回り
特に足回りからの異音や、ハンドリングの締まりの無さなど、ブッシュの経年劣化によるトラブルが顕著に現れてくるだろう。
ブッシュの交換は部品そのものより、足回りを分解するため作業工賃が高額になる可能性があるので、余裕がある時に交換しておきたい。
ついでに強化ブッシュにするという選択肢もあるが、確実に街乗りでの快適性は損なわれるということは覚えておいてほしい(笑)
ただ、走りにおいてのメリットは間違いなくあるので、割り切れる環境なら強化ブッシュをお勧めする。
また、バキバキに効いたLSDを入れてハイグリップタイヤで走りまくった車だと、ドライブシャフトに負担が掛かり、異音がしたりブーツが破れたりする。
ひどい時は、ドライブシャフトがジョイント部分でポッキリと折れてしまうので、スピードに応じて唸り音が大きくなるようだと、かなり重症なのでヤフオクなどで予備を探しておいたほうが良いだろう。
車両盗難
今でも人気がある車種だけに、まだまだ車両盗難が相次いで起こるモデル。
この時代の車は簡単にドアを開けることができ、簡単にエンジンを掛けることができるので、セキュリティを怠ると、あっという間に盗まれる(笑)
後付けのセキュリティもお求めやすい価格になっているため、導入しておいて損はないだろう。
実は上に出てきた会社の同期くんは、EG6シビックの前にEK9のシビックタイプRに乗っていたんだけど、セキュリティを怠ったからか、EK9を車両盗難で失っている。
さらに、乗り換えたEG6でも盗難未遂に遭ったが、その車にはセキュリティとして「VIPER」を導入しており、スターターキルリレーのおかげでエンジンが掛からず警報が鳴り続け、未遂にとどまった。
出来すぎた話かもしれないが、全て目の当たりにした実話なんだ。
もうあんな出来事は起こって欲しくないので、自分の愛車はしっかりと守って欲しい。
この「VIPER」も、当時は10万円ぐらいしたセキュリティシステムが、液晶リモコン付きのこの装備にも関わらず、この値段はめちゃくちゃコストパフォーマンスが良くなっている。
納車前に車屋さんに手渡して、納車前に付けてもらうと安心できるだろう。
シビックタイプRはもちろんあのマンガにも登場している
これだけ熱い車を、あのマンガが放っておくわけないよな(笑)
そう、「頭文字(イニシャル)D」だ。
ホンダ シビックタイプRが登場したのは、藤堂塾編で2回、主人公の藤原拓海と対戦している。
初回は二宮大輝が運転し、2回目はプロドライバーの舘智幸が運転。
まあ、マンガなので藤原拓海が苦戦を強いられながらも勝ってしまうんだけど、テンロク(1,600cc)NAエンジン同士の対決は熱いものがあった。
まとめ
シビックタイプR(EK9型)は年式が年式だけに、車両価格に加えてメンテナンスの資金も少しは備えておきたいところである。
また、万が一事故ったり、故障で動かなくなってしまった時はこちらを参考にするといいだろう。
→事故車・故障車の廃車処分の費用は?それよりも楽ちんでお得な方法を教えよう!
乗り換えの場合はその資金を確保するために、「いかに高く買い取ってくれるか?」が決め手になってくるのだが、今の車の価格を一括で調べて、高値を付けてくれたところに買い取ってもらうのも賢い選択肢かもしれないね。
・スマホの人はこちら
ホンダはミニバンのメーカーというイメージがすっかり定着してしまっているが、過去にF1に参戦していたことから、レーシング魂は熱い。
その表れがVTECであり、いろんな車種に設定されているTypeRなわけで、そのメーカーの熱い思いを直接感じ取ることができるシビックタイプRはとても良い車だと思う。
同期君が盗難に遭う前は、山でさんざん苦しめられたので、ハイパワーターボの4WDにも引けを取らないこの車のポテンシャルはかなり高い。
さすがホンダのタイプRってところだな!
最高の車に出会えることを祈る!
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