【新しいきみへ】『諦めないで。あなたならきっとできる』 3巻の見どころ
引用元: 三都慎司 / 集英社
この記事では、極力控えるようにするつもりですが、作品の紹介する上で若干のネタバレを含むことがあります。
もしネタバレが苦手な方は、ページを閉じていただくことをお勧めしますm(_ _)m
前巻のあらすじ
謎のウィルス「エフ」がばら撒かれ、パニックに陥る横浜の街。
相生の記憶を頼りに次の候補地である東京で、ついに見つけたガスマスクの男を追走するも虚しく、謎のウィルスは悟の目の前でばら撒かれてしまった。
「これってキャラ的に非常にヤバい事態になっちゃったんじゃない?」と思わせるところで終わった2巻ですが、果たしてガスマスクの男を止めることができるのか!?相生と悟は無事なのか!?
こんな人におすすめです!
- タイムリープものが好きな人
- 気が強くて可愛いヒロインが好きな人
- 伏線回収の考察が好きな人
- 緻密に書き込まれた作画が好きな人
各巻のレビューはこちら
→今日は間違いなく、あの日の未来…『新しいきみへ』1巻
→無数の失敗の足跡をたどれ!『新しいきみへ』2巻
主要キャラクター
相生 亜希(あいおい あき)→ 荻野 七緒(おぎの なお)
引用元:『新しいきみへ』3巻より
この作品のヒロインで、傷心(勘違い)の悟の前に登場した謎に包まれた少女。
ついにその正体とこれまでの経緯が明らかになる。
佐久間 悟(さくま さとる)
引用元:『新しいきみへ』3巻より
どこか頼りない高校教師で、相生の過去に深く関わっていたであろう人物。
ガスマスクの男と面識があり気な様子だが、肝心な記憶が曖昧でそれが誰か思い出せないでいる。
ガスマスクの男
引用元:『新しいきみへ』3巻より
ウィルスを都会の真ん中でばら撒き続ける、とんでもなく迷惑な男。
悟を知る人物で、逃げ足が速くて力もあるため取り押さえるのも困難な人物。
佐久間 亜希(さくま あき)
引用元:『新しいきみへ』3巻より
悟の妻で捜査官(イケメンで強者)。
ウィルスの発症で入院している吉本先生と話すうちに相生亜希の真相に気付く。
荻野(母)
引用元:『新しいきみへ』3巻より
相生になりすましている「荻野 七緒」の母。
急に様子が変わった娘を心配し、佐久間(妻)の聴取に応じる。
『新しい君へ』3巻の大まかな流れと見どころ
それでは、早速3巻の大まかな流れに合わせて、個人的な見どころを紹介していきます!
(ネタバレを含むところがありますので、ご注意ください)
3巻は相生の正体を突き止めた佐久間(妻)が、その母親である荻野(母)に聴取するところからスタート。
娘の異変について細かく語る荻野(母)ですが、急に変わった娘と意味不明な言動に戸惑いを隠せない様子ですが、ふとした瞬間にいきなり様子が変わってしまうと親としても心配になります(^_^;)
さらに意味不明な言動までしだすと、事情がわかっていないとはいえ「娘がおかしくなってしまった…」と思われても仕方ないのかもしれません。
この急に娘の様子が変わった瞬間というのが「相生のループ開始地点」のようです。
荻野(母)は、それを「まるで…急に歳をとったような」というセリフで表現しており、1度や2度でなく何度も何度もループしている→その分、誰よりも長い時間を生きているということにも繋がります。
で、そのループのきっかけも、タイムリープものでよくある「命を落とした時」だとすると、相生はループした数だけ命を落としているということにもつながり、15〜16歳の少女じゃなくてもかなり過酷な状況だと思われます。
引用元:『新しいきみへ』3巻より
果たしてそんな相生に、母の悲痛な叫びは届くのだろうか…
ついにガスマスクの男を射程内に捉えた悟と相生
目の前でウィルスをばら撒かれた悟と相生ですが、そのままガスマスクの男を追って駅構内を走る姿を佐久間(妻)がテレビに映っているのを発見w
引用元:『新しいきみへ』3巻より
本人は必死なんでしょうが、それとは裏腹にどことなく間の抜けた表情で全力疾走する姿は嫌いじゃないぜww
そりゃあ佐久間(妻)も唖然とするでしょうね…
そして無賃乗車を疑われ、改札で捕まった相生(悟のあとから素通りしてたので仕方ないw)に発破をかけられ、そのまま全力で追いかける悟。
駅のホームでガスマスクの男に追いついた悟ですが、あと一歩のところで取り逃してしまう。
去り際に、悟のことをよく知っている風に語りかけるガスマスクの男。
「変わったな。さとる」
「本当はきみがこっちになるはずだった。うらやましいよ」
と言葉を残し、隣のホームから別の電車に乗って逃亡。
手が届く範囲まで追い詰めていただけに、非常にもどかしい展開でしたね。
このもどかしさは「追跡ものあるある」で、まだ何も騒動が起こっていないだけに、周りの人たちも素知らぬふり。
いや、街中でガスマスクをつけてる時点で怪しすぎるのですが、やはり「面倒なことには関わりたくない」というのが日本人の本音でしょう。
自分も同じような状況になると「我関せず」な態度でやり過ごすかもしれません…(極度のヘタレなもので…)
だがしかし!
ここでいつの間にか駅員を振り払って先回りして電車に乗っていた相生がガスマスクを捉え、ようやく対峙することに。
その時に周りの乗客に協力を仰ぐように声を上げる相生だが…
引用元:『新しいきみへ』3巻より
「おいいいい!!空気読めよーー!!!」
と思ったのは自分だけじゃないはずw
こういうシリアスな展開の中でもコミカルな演出を入れてくれるのは大好きですw
ガスマスクの男と取っ組み合いになる相生。そして馬乗りにされた相生の口から語られたこれまでの経緯。
引用元:『新しいきみへ』3巻より
ここで、相生の正体や目的が少し語られるのですが、別の場所から電話越しに聞いていた悟は本人曰く「電波系すぎて何一つ理解できない」といった状態。
はい、こういうところブレないですねw
ですが、その後で淡々と生徒への想いを話す悟。
その言葉に感化された周りの乗客がガスマスクの男を一斉に取り押さえに掛かるも、次の駅に着いた衝撃で取り逃がしてしまう…
残された最後の希望は、車で先回りした悟のみ!なのですが…
引用元:『新しいきみへ』3巻より
ガスマスクの男を追いかけてきた相生と鉢合わせ&平手打ちw(これは勢い乗ってて痛そう…)
確かに、普通なら挟み撃ちにならないといけないので、悟と相生はそのまま出会った時点で「失敗が確定」してしまいます。
ここから挽回のチャンスはあるのか!?いや、あってほしい!!
ただ、静かに最期を待つのみ…
奮闘も虚しくガスマスク男の逃亡を許してしまい、公園のベンチでこれから起こることや今までに何度も繰り返してきた2014年について、淡々と語る相生。
それを聞いた悟の反応はというと…
引用元:『新しいきみへ』3巻より
こういうところでも一切ブレないのが佐久間 悟で、逆に清々しく思えましたw
失意の中、学校へ戻るも無造作に並べられた死体の山、つい数時間前に話をした人たちが次々に焼かれていく現場に呆然とし、フラフラと自分が担当する教室へ向かった悟。
さらに、追いかけてきた相生からはこのループでの終わりを告げられる。
その間にもウィルスは徐々に体を蝕み始めたにも関わらず、悟の最後の質問を聞いた相生の反応はというと…
引用元:『新しいきみへ』3巻より
この非常時を非常時にしない展開は最後の最後でもブレない悟w
そうして最期の時は来てしまい、
「新しいきみへよろしく」
と、タイトル回収&次のループに託すことになったのですが、この時の悟の語りかけで「ついに終わってしまうんだな」と、寂しさが溢れてきました。
そのまま相生も絶命し、新しいループが始まります。
引用元:『新しいきみへ』3巻より
ループの開始地点に戻ってきた相生(荻野)は、もちろん「相生 亜希」になりすます前なので黒髪の「荻野 七緒(おぎの なお)」です。
前回のループで起きたことを胸に朝食をかき込み、決意の表情をしたところで3巻はおしまい。
ストーリーはここでひと区切りといったところですが、新しいループではどのような行動を起こせば正解に近づくのでしょうか?
とはいえ、たった1回のループでもあれだけいろんなことがあり、ツラい別れをしたわけですが、相生(荻野)はこれを幾度となく繰り返しているんですよね(´;ω;`)
しかも、一歩ずつしか進めていない状況なので、これからも幾度となくループを繰り返すことになるでしょう。
願わくは、近い未来にこのループを終わらせて、相生(荻野)を普通の学生になれるようにしてもらいたいところです…
新展開を迎える4巻に続く。
ここで紹介した見どころはあくまでも一部です。
また、ブログタイトルにもあるようにあくまでも個人的なツボのため、読んでくれたあなたには刺さらないかもしれませんが、少しでも興味を持っていただけたのであれば、一度読んでみることをおすすめします!