【龍とカメレオン】『知っているか?龍は向かい風程高く飛ぶ』 1巻の見どころ
引用元: 石山 諒 / スクエア・エニックス
この記事では、極力控えるようにするつもりですが、作品の紹介する上で若干のネタバレを含むことがあります。
もしネタバレが苦手な方は、ページを閉じていただくことをお勧めしますm(_ _)m
『龍とカメレオン』のあらすじ
天才漫画家として少年漫画界に君臨する「花神 臥龍(はながみ がりょう)」と、そのアシスタントとして仕事をしていた新人漫画家の「深山 忍(ふかやま しのぶ)」。
不慮の事故によって2人の体が入れ替わってしまうが、「花神 臥龍」の体を得た忍はコピー能力の高さから付いた二つ名は「カメレオン」。
一方新人漫画家の「深山 忍」の体になってしまった臥龍はほぼゼロからのスタートとなってしまうが、持ち前の「漫画狂」を発揮して「カメレオン」に立ち向かう、熱量高めのマンガバトルが勃発する!!
こんな人におすすめです!
- マンガ家のストーリーが好きな人
- 勢いのある熱血マンガが好きなひと
主要キャラクター
花神 臥龍(はながみ がりょう)→ 深山 忍(みやま しのぶ)
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
人気マンガ家で、人気作「ドラゴン・ランド」の作者。
締切の原稿が出来上がったあとに、不慮の事故で当日ヘルプとして入った深山 忍と体が入れ替わる。
これからは深山(臥龍)としてゼロからマンガ家活動を始めるが、持ち前のマンガ狂で入れ替わった臥龍(深山)に迫る。
深山 忍(みやま しのぶ)→ 花神 臥龍(はながみ がりょう)
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
他人のコピー能力に優れ、付いたあだ名が「カメレオン」。
ヘルプとして入った花神 臥龍の作業場で不慮の事故により臥龍と体が入れ替わってしまう。
憂いていた脇役としての人生から抜け出し、持ち前のコピー能力で臥龍として連載を続けていくが…
田中 林檎(たなか りんご)
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
臥龍のアシスタント。筋トレが趣味だけど、甘いものが好きという矛盾も…
入れ替わった臥龍の異変に違和感を覚えつつも、役割はきちんとこなす真面目さん。
多知川(たちかわ)
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
入れ替わった深山(臥龍)の担当編集者。
人生=仕事と言わんばかりの仕事っぷりで、深山(臥龍)の持ち込みネームに圧倒された結果、深山(臥龍)の担当となる。
北 夏菜子(きた かなこ)
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
深山(臥龍)が食い繋ぐために入ったヘルプ先のアシスタントとして出会う。
姉妹でマンガ家活動を行う予定で、臥龍の大ファンでもある。
『龍とカメレオン』1巻の大まかな流れと見どころ
それでは、早速1巻の大まかな流れに合わせて、個人的な見どころを紹介していきます!
(ネタバレを含むところがありますので、ご注意ください)
モブと主役が入れ替わる!?
マンガ家さんの諸事情はあまりくわしくありませんが、締切前の修羅場はあるあるなんでしょうか?(^_^;)
なんとか原稿が間に合い、スタッフ一同でホッとした時間を過ごすも、臥龍(本人)だけは1人何かを描き続けています。
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
天才とは少し違いますが、上に登り詰める人とそうでない人は、こういったところで差が出るのかもしれません。
やはり「何よりも好き」というのはあらゆる場面で強いですね!
そして、人当たりの悪さと今の自身の境遇を良く思っていない深山(本人)が愚痴をこぼし、その深山を知るスタッフが説明するが、臥龍はその深山を「素晴らしい才能だ!」と褒め、「おいおいダメだろ!後半は悪口に…」と諭すところも。
人柄はともかく、あくまでも仕事を見て人を判断する姿勢は、自分も真っ直ぐにマンガと向き合ってきた表れなのかもしれませんね。
こんな上司だったらその職場は最高なんじゃないだろうか?少なくとも自分はそう思います^^
そして帰り際、深山が自分で傷つけた手で階段の手すりを掴み損ない、落ちてしまうところを臥龍が助けに入るが…
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
この時の事故が原因で、臥龍と深山の体が入れ替わってしまう。
どんだけ悪態をつくスタッフでも大事にする臥龍の人柄がよく出ている場面で、のちに田中さんが語るのですが、こういう時に躊躇なく体を張れるからこそスタッフはマンガ狂の臥龍について来てくれるんだなと思いました(´;ω;`)
目が覚めた深山(臥龍)と臥龍(深山)は、合うなりバッチバチの宣戦布告モードで、いきなり熱い展開!
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
殴り合いをするわけではありませんが、自分のプライドを賭けた勝負は少年マンガ好きにはたまらない展開です!
体は入れ替わってもその「キレ」は変わらず、読む人を圧倒する!
とはいえ、体は「新人漫画家 深山忍」となってしまった以上、自分の力をアピールしないといけません。
入れ替わる前に、ダメ出しをした担当をボロクソに扱き下ろしたこともいざ知らず、入れ替わった深山(臥龍)が再びその担当の元へ持ち込みに行く。
その読み切り用のネーム(マンガのラフのようなもの)を読んだ担当「多知川(たちかわ)」は、その画力とセリフのキレに圧倒されるシーンが、その熱量をうまく表現されていて、読んでてゾクゾクしました!
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
深山(臥龍)のマンガで衝撃を受けたのは多知川だけでなく、待ち合わせ先のファミレスで絡まれていた新人漫画家の女性と、その子を絡んでいた男たちも同様に心を揺さぶられることに…
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
作中ではマンガの内容は明かされていませんが、読む人の心にグサッと刺さるマンガだったのはまちがいありません。
それと比べてすっかり不甲斐なくなってしまった臥龍(深山)の描く「ドラゴン・ランド」に業を煮やしていたのですが、ある時を堺に臥龍(深山)が本来の花神臥龍をついに完コピしてしまう。
「やりやがったな『変色龍(カメレオン)!!」
読み切りが掲載された深山(臥龍)でしたが、その号では臥龍(深山)に完全敗北を喫してしまいました。
やはり同じ能力では読み切りは知名度の高い、ましてや人気の連載作品に勝てるわけもなく、このあたりがとてもリアルで世知辛いなと思いました(´;ω;`)
打ち切りマンガ家の心に再び火を入れる深山(臥龍)
深山は新人漫画家のため資金に余裕が無く、収入が無いと3ヶ月後の会議まで生きていくことができませんw
そこで多知川の伝手であるマンガ家のヘルプに入ることになります。
ですが、そのマンガは打ち切りが決まっており、作者である「中野 兼武(なかの かねたけ)」のテンションもダダ下がり。
空気も悪くピリピリした職場で、追い討ちをかけるように「見開きページのやり直し」の指示が入る。
そこで中身は経験豊富な深山(臥龍)が代替案を出すも、後ろ向きな作者に喝を入れる深山(臥龍)。
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
この一言で再び心に火が入った中野。
人によっては「熱くてうぜぇw」と思うかもしれませんが、クリエイターの現場ではこういう人(読者を大事にする熱量高めの人)は不可欠です。
マンガ事情に詳しいわけではありませんが、どれだけ順位が低くても、連載作品であればよほどの作品でない限り読者(ファン)は必ずいます。
その読者(ファン)を蔑ろにする態度に腹がたったがゆえの「喝」だったんでしょうね。
その後、深山(臥龍)の圧倒的な背景作画に負けじと全力で描き直しを始める中野。
原稿の回収に来ていた中野の担当編集者「赤城」も熱いものが込み上げていました(´;ω;`)
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
自分がクリエイターものを大好きな理由は、こういった「熱量で周りを巻き込む展開」であったり、それぞれの人物の想いを垣間見る描写です。
ここでは、おそらくデビュー当時からの付き合いだったであろう中野と赤城担当の過去をチラッとだすことで、たとえ今回は打ち切りで終わりだったとしてもこの関係は続いていくことを思わせ、こちらも熱いものが込み上げてきます(´;ω;`)
ああ、クリエイターものって良いなぁ…(語彙力喪失w)
再び対峙する「龍とカメレオン」
掲載誌の60周年パーティーに臥龍(深山)が出席するという情報を入手した夏菜子。
臥龍(深山)と面識があるということで一緒に連れて来られた深山(臥龍)が、アシスタントの田中さんと再会するも、臥龍(深山)の異変を吐露するも…
引用元:『龍とカメレオン』1巻より
なぜか謝る深山(臥龍)と、田中のスタイルの良さに圧倒されて暴飲暴食に走る夏菜子w
っていうか、60周年のパーティーなのに普段の服装で来てる2人は強者確定ですw
(ドレスコードとかは特に無いみたいですね)
そして深山(臥龍)と臥龍(深山)がついに対峙したのですが、すでにバッチバチの臨戦体制!
そして、元に戻りたい本当の目的を伝えた深山(臥龍)は、
「あとは漫画で語ろうぜ!」
と言い残し、その場を去るのですが、事情を知らない夏菜子は「???」な状態w
そして、次の新企画「連載獲得新人合宿」が決まり、その参加候補をして選ばれた深山(臥龍)。
ここでも一波乱ありそうな予感を残して1巻はおしまい!
クセの強い(新人潰しで有名)編集長が立案した企画で生き残ることができるのでしょうか?
2巻へ続く…
ここで紹介した見どころはあくまでも一部です。
また、ブログタイトルにもあるようにあくまでも個人的なツボのため、読んでくれたあなたには刺さらないかもしれませんが、少しでも興味を持っていただけたのであれば、一度読んでみることをおすすめします!